近代化した民主主義へ

選挙、電子投票などについてを語り、政治の幼稚さをぼやきます。(笑)

不祥事が続くのは、政府が信頼される「第三者認証検査機関」を作らないからです。

十六 十七 十八と~
私の人生 修行だったぁ~
藤圭子「夢は夜ひらく」風)

という訳で、青春時代は僧侶の修行をしていました。

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(写真は敬愛する恩師と卒業時に撮影)

 

 中でも入山当初の45日間の指導期間では、起床から分刻みで休憩も無く、全ての勤めが終わると寝る時間という失敗も時間オーバーも許されない、一日が8万6千400秒だと実感できる環境でした。睡眠時間も通常の半分という、それだけでも俗世の感覚をそぎ落とすには充分過ぎる緊張の中で、作法、所作、しきたりなどを学び、人の極限状態の人間模様が体験できたのが精神鍛錬よりも私の人生で大きな収穫でした。どんなに文才が有っても活字で現すことも、得ることも難しい世界です。
 だから、その経験は伝えたり押し付けたりするよりも生かす事にしました。

 例えば、日本初の電子投票実施では、我々が求めた「第三者認証検査」の導入が見送られ「自己検査証明書」となった事で、世間の期待と共に膨れ上がる不安から、内部でも冷静な判断が出来なくなり、確認範囲の拡大などと聞こえは良いが、確認して異変が有っても手を出してはならない領域まで及んだ。その事で統括責任者の私の判断を聞かれたので「そんな面倒な事を一度やったら、ズ~~~とやる事になる。そこまでして電子投票は必要か?」と答えたら、「ただ、聞いて見ただけです」と正気を取り戻すぐらいに異様な環境でした。だから、訴訟になった他の企業のことも理解はできます。

 また、開発・製造から実施までを、僅か3ヶ月というタイトなスケジュールは世界でもダントツで短い。
 私が出来ることは、有効なコンセンサスによる「即決」に徹することでした。
 人の痛みを感じる範囲に身を置くと、正しい評価と、そして、決断の遅れでしわ寄せを受ける人たちの顔が浮かびます。

 我々の電子投票実施成功は、疑心暗鬼に陥り契約や規定、マニュアルなどでリテラシーの低い所へリスクを押し付けることも無く、積み重ねた理論と人を信じた素晴らしい体験となりました。その感動は、よく使われる「総ての関係者に感謝します」を、総ての関係者が心の底から感じたと思います。

 だから、今でも内部では、くだらない駆け引きも儀式もありません。
 そして、我々以外の企業は、総ての投票所にシステムエンジニアを配置していますが、我々は期日前投票を含めて80カ所の投票所を持つ新見市をはじめ、政令都市でも投票所に人員配置はありません。マニュアルも写真などの図解を除けば僅か数ページとシンプルです。
 電子投票というと機器のシステム的な話しに成りますが、投票システムなのに、どれも人が存在していない議論だから本質から外れている。

 我々は世間の枠に当てはまらないからなのか、外部から様々な憶測で言われていますが、実施に携わる方達は、窮境の中でも生き生きと誇りを持って作業をしています。
 感謝と共に「良いもの」として進めてきた私としては、国内で正しい評価をされず、慚愧の念に堪えない状態が続いています。

 政治が十数年も良し悪しの判断が出来ないのなら、諸外国と同様に信頼できる「第三者認証検査機関」の創設を再度、勧めたい。
 政治家や官僚にとっても、談合や癒着などと言われない良いものです。
 諸外国から学び、真似るだけでなく生かすことに重点を置くと、きっと正常に機能するでしょう。

 近頃、マイナンバーを含めて人によるミスや、旭化成建材、タカタ、東洋ゴム工業など、データ改ざんの不正が横行しています。
 信頼性を担保する為にも旧弊を打破する決断を求めたい。

 私のやり方は、黎明期の応急処置ですから限界がある事も認識しています。