近代化した民主主義へ

選挙、電子投票などについてを語り、政治の幼稚さをぼやきます。(笑)

電子投票の成功と失敗の分かれ道とは?

 先日、アドバイスを頂いた電子投票の失敗と成功の簡単な比較説明で、設計安全、機能安全、運用安全、教育安全などに分けたらと御教授頂きました。しかし、必要性や構成そのものが理解できない方にはやはり難しいと思いましたので、大雑把に経営的なビジネス設計の観点で書いてみました。

 当初、購入で入札仕様書を作成していた自治体へ、総務省が入札日前日に急遽レンタルにするように指導が入りました。その後も購入で導入を進めていた他の自治体へも出向いてまでレンタルに固執して、電子投票はレンタルが定着したので、先行で開発をした我々以外は、レンタル機として設計しています。
(因みに法規的なものではありません)

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 積み上げた分だけお金が貰る訳でも無く、ボランティアでも無い営利企業なら、事業を総合的に考えてシステム設計をします。
 成功と失敗の分かれ道を一言で済ますと、そこが大きな違いです。

 販売は、システムがクライアントの所有(許諾)物になりますから自立して運営ができるように設計します。
 しかし、レンタルは様々な言い訳ができるので、研究費を浮かせる為に技術基準書の通り製造し、ノウハウが無いからシステム機器に必ず技術者を配置するような提案が主流となりました。
 そこが、大きな分かれ道で、もう一段階詳細に説明をすると、我々の場合は従来通り納品検査後は運営を含めて自治体の管理としています。しかし、納品検査で発覚しなかった隠れた瑕疵について責任が無い訳ではありません。法令の趣旨に沿った対策と対応が有るから信頼されています。

 他のレンタルの場合は、そう言ったシステムとしての「切り分け」を避け、投開票作業で重要な「保全」をリカバリーという横文字で破壊してしまった事で、解明もできない事故になりました。
 理論的にリカバリーはあり得ますが、企業の技術者が票に影響を与え無い範囲と現状確認の範囲を学ばなかった事と、それに、提供した企業側がミスを隠すのは必然な感じを受けます。
 我々の場合、業者側が実施期間中に機器に触れる事は禁じています。それは、原因を早期解明ができるように保全をする為です。そして、使用機器の交換というシンプルな運用ですが、保全の観点で故障した機器は、立会人席の前に置かれ晒されるように運用上の決まりになっています。

 総務省が企業に呼びかけて電子投票機器の基準書を作成しました。事故を起こした総ての企業もメンバーでしたが、長く研究開発をしている我々には、御声を掛けて貰えませんでした。
 本当に弱小零細企業は、イバラの道を歩ませて頂いています。しかし、基準書の内容で認識不足は沢山見つけましたが、方向的には間違いはありません。
基準書の位置付けは、多くの企業が参入し易い様に必要最小限の機能説明をしていると思いますが、我々以外の企業は機能要件を具備されていなかっただけです。
 そして、採用した自治体を含めて、投開票として違和感が無い「モラル」の違いなだけ。だから、他の民主主義国家では継続ができています。

 追伸
 参入企業が一通りの実施経験をし、総務省が招集した企業会議の時は実績評価順で席が設けられ、用意された一番上座の席に座り思わず拳を握りしめて小さなガッツポーズをしました。
 若かったな~(笑)

 この時から総務省も実用性重視に方向が変わりましたが、学者のバーチャルな話で停止したまま放置されて現在に至っています。
安全なところで物を言っているうちは、実用的で適確な指摘が出来ていないから進まないのでしょう。
 先ずは、血税を無駄にしない実用的な機能要件と運用マニュアルを作成して見せて欲しいものです。
 大概は安全性を高める為に、機能や操作が膨れ上がる傾向にありますが、共生システムの大切なことは、誰にでも参加して頂けること。
 コツは作業者がオペミスをしても設計者の責任だと自覚し、どれだけステップを端折り、趣旨を満たしながら無駄な機能を省くことだと思います。
 意外ですが、非常識だから生みだせ、それが受け入れられると常識になるものです。
 あまりにも無駄に時間が経過しているので、無報酬で赤字訂正をして差し上げたい心境です。

◎電子投票システムに関する技術的条件及び解説.pdf
http://yahoo.jp/box/JQ3NpI