近代化した民主主義へ

選挙、電子投票などについてを語り、政治の幼稚さをぼやきます。(笑)

政治改革四法から20年。政治が良くなったのか?

 週刊文春 2016年4月21日号掲載では、群馬1区選出の佐田衆議院議員の事務所費問題に引き続き女子大生売春疑惑で、自民党県議団が支持できないと端を発し、前回の総選挙前から地盤継承で揉めているようです。

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 その中で、大勲位中曽根さんの孫に待ったを掛けた山本一太参議院議員が、持論の「7つしかない群馬の国会議員の座を親子で占めるのはおかしい」と言って、尾身衆議院議員(比例)の父親の地盤擁立は、選挙区版の両統迭立でもあるまいし、どっちに転んでも世襲しか選択肢が無いのが笑えます。

 結局、前回の総選挙では、不祥事を起こして県議団に三行半を突きつけられた佐田氏を党本部が公認することで収まったようですが、衆参ダブル選挙の話題で再燃しているようです。

 以前の参院選挙二人区時代は、県内二大勢力の福田、中曽根両家の親族が参議院の議席を分けていた。再び中曽根家が2議席を確保すると、県内のパワーバランスが崩れて福田家もと成った場合、現在の一人区では、山本氏が弾かれる可能性が生まれる恐れがあるから、親族で議席を持つ事に反対しているだけに感じます。

 あまり大きな声で言えませんが、県内の首長からも福田家三代目達夫衆議院議員よりも次男坊の方が好感度は高く、政治家の素質は充分に有ると言われています。

 また、山本参議院議員は、中曽根参議院議員会長に役職を下された個人的な怨念も重なって、いつも以上にエスカレートしている感じかな。

 群馬県(旧群馬3区)は、国家レベルで競い合い(上州戦争ともいう)、ビルの谷間のラーメン屋さんも含めて三つの派閥の領袖を生み出した。野党では山口鶴男社会党書記長も居たハイレベルな選挙区で、自民党は四人の総理大臣を輩出し、今もその恩恵で県全体が強い地盤で支えられています。

 しかし、その反面で、先人達が築いた恵まれた環境に胡座をかいて既得権化した世襲議員が、国民が嫌う権力と派閥の古い体質で、小選挙区制にした意味が薄れている残念な記事です。 

 ちょうど20年前に小選挙区制に変わった時も、議員数よりも少ない選挙区数という保守王国ならではの苦悩で、候補者調整が一番遅れたのが群馬県でした。

 何と言っても当時は、派閥の重鎮が集まる自民党の縮図みたいな所ですから、今とは比べものにもならない大変な状況で時間は掛かりましたが、選挙民に理解して頂ける努力をしたと思います。

 そんな準備不足と巻き返しを図るために、群馬県連から依頼を受けて、政党枠の基本コンセプトを任せて頂いた時の話を書きます。

 政党用ポスターも、自民党本部の部屋を借りて、中選挙区ごとに候補者が集まり撮影をしました。やはり群馬御三家の居る旧三区は、中曽根、小渕、福田が並んだ時には、テンションが上がった。

 しかし、群馬1区の尾身、佐田の両氏は、選挙区と比例を交互に出馬するコスタリカで調整はついたものの、中選挙区時代のシコリがあり出席して頂けませんでした。

 この時の県連が求めたイメージが「議員同士のスクラム」でしたので、街で見かける安易な顔写真を並べる発想は微塵もありませんでした。

 そこで、両者が断れないように、橋本総理を挟んだ官邸での撮影を企画(画策)した県連事務局長から連絡を受けた時に「撮影の所要時間は?」と尋ねたら、笑いながら「相手は総理、2~3分かな?」と返ってきたので、私も笑いながら「了解です」と返事をしたのを覚えている。

 最小限の機材とセッテング時間無しで、大きなA1ポスターのクオリティーに耐える撮影を組み立てましたが、最大の課題は、どうやって連帯感を出せるかには、アレコレと悩んだ。

 案の定、当日の官邸では空気がピリピリでしたが、橋本総理がやって来て「お前たち、仲良くしてくれよ!」と両者に声を掛け、私に向かって「オヤジさんに、あんまりイジメないでって言っといてよ~」と振った瞬間、和やかな笑いに包まれ、いがみ合いで有名な二人ですが、選挙民がビックリするほど自然な笑顔で、三人がガッシリと手を握っている良い写真が撮れました。

 それなりにプランは有りましたが、いつものごとくプランB(成り行き)ですね。(笑)

 高飛車なイメージを持たれている橋本総理ですが、場をまとめる気遣いと機転は、流石だなと勉強になりました。

 近頃の政治は、自分達が安心できる構図を作りたがり、つまらない理屈で罵り合うから期待とか展望という視点では面白味に欠けている。

古き時代には自由があり、適当に見えても薄氷を踏む思いの中で、良い方向に傾ける知恵があったと思う。

 話を戻しますが、職業の選択の自由も政治的思想もあるので、中曽根康隆氏への安易な世襲批判はどうかとは思います。国益になる候補者の一人として、競わせれば良いでしょう。

 因みに、山本参議院議員のブログ「山本一太の『気分はいつも直滑降』」は 、標的にした政治家が必ず不幸に陥るという〝永田町版デスノート〟と呼ばれているようです。ご自身も朝日新聞記者時代に地元の草津町長の贈収賄事件の情報を流して助けた疑惑を否定して「情報のネタ元」を割り出すとブログに書かれているが、この話は議員になってから出たものでは無く、ウチの家業の選挙分析で、候補者情報を集めていた初立候補の時には浮上していた。

 真偽には興味はありませんが、人柄が良く温和なお父上の山本富雄さんが恨みを買っているとは考え難く、今では若い頃から同じなんだなぁという印象です。それに比べて、中曽根康隆氏はダーティなイメージは無く、見た目も賢そうで期待が持てますので、是非、意欲がある候補者が、国民のお眼鏡に適うか確かめる方法を考えるべきだと思います。

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 当初、旧群馬三区で選挙区から弾き出されたのは、ビルの谷間のラーメン屋さんでしたが、大勲位中曽根さんに比例北関東ブロックにおける終身1位を約束して身を引かせながら反故にした経緯があるので、安易にブログで家系を罵るのは良識の府の参議院議員の前に、人としてどうかと思う。世襲の互助会も良くはありませんが、先人が県民の安堵を優先させ、「対立」を「スクラム」に変えた努力を知る者としては、無駄にしないで欲しいですね。

 それに、私が橋本総理を褒めて中曽根家の肩を持つのも、親子でも人格が違うことを証明しています。(笑)

(一昔前の政治を知っている人は笑えます)

 いま、補欠選挙が行われている北海道で自民党の情勢が不利だと報じられているのも、国民から嫌われる思考で騒ぎ役にも立たない二世議員が目立ち足枷になっている。候補者を見ずに世襲批判だけの消極的選択が上回れば、中身の無い政治で再び乱れて行くような気がします。

 そもそも、社会環境が改善されないのは野党の不甲斐なさも有りますが、政治改革四法と自民党内の世襲優遇の慣例に問題があり、世襲の候補者個人が悪い訳ではないでしょう。