近代化した民主主義へ

選挙、電子投票などについてを語り、政治の幼稚さをぼやきます。(笑)

国内で初めて発表された当時の電子投票の理念

 先日、ジャーナリストでFacebook友達の千葉利宏さんから「日本における電子投票の将来をどのようにご覧になっていたのでしょう」と他界した親父殿への質問を頂きました。 

 国内で初めて電子投票システムを発表した平成4年のパンフレットは、親父殿の膨大な提案書を簡潔にまとめても36頁になったほど様々な事が改善される内容でした。

 でも、親父殿の「原始的なインフラから発想しても適正な制度はできない。文明に合ったインフラがあれば健全な議論で進んでゆくだろう」との一言が記憶に残っています。

  だから原始的な自書式の投票制度では、制度をいじる度に複雑になり、判断をする有権者に分かりづらく、そして投開票従事者の負担が増えて更にミスが続発し、大切な票が失われる負のスパイラルになっています。

 電子投票の場合は投票弱者でも自力で投票ができ、疑問票の根絶という民意を正確に反映できる至極当然の事ができますが、発表当時から現行制度で恩恵を受けている人たちの理解を得るのは困難でしたので、視点を制度から道具へと最小限の議論に切り替えて進めて参りました。

 今回は、その削ぎ落とされた重要な部分を書いてみます。

  投票制の課題は、不満の温床となっている死票を無くし、投票者が結果に納得のできる民意が反映される仕組みをつくることだと思います。だから死票の多い小選挙区制を採用した総選挙後に、ネットでは「不正選挙」の書き込みが増えるのでしょう。

 死票を無くす「連記式投票」や「順位式投票」なども期待されていますが、単独で採用すると有利不利の議論や物理的に集計作業に負担が掛かります。

 しかし、電子投票では投稿写真(電子投票発表当時のパンフレットから抜粋)のように「優先順位連記式」など様々な方式が可能になります。 

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 そして、民意を質量に変えて分析をした草分け的な存在である親父殿は、リコールの総有権者数3分の1や、供託金没収点の総得票数からの算出方法も統計的に理にかなっていて、比例選挙で採用されているドント式のように、正確な民意とは計算方式によって社会実態に合った配分方法を見つけ出すことだそうです。

 だから最低限でも電子投票になれば、良識のある方達によって良い制度ができる事を期待していました。 

 余談ですが、50年前、自宅兼用の事務所で、当時は高級品だったプリンター付きの電卓を真剣に叩きながら分析をしていた親父殿が席を外した時に、好奇心旺盛な子供として電卓をいじったら親父殿に殴られました。親父殿はイタズラ前の状態に復帰させる為なのかプリンターの印字を大切そうに見ていたので、次に席を立った時は、プリンターの印字されたロールペーパーをいじっていたら親父殿にボコられました。

  もしかしたら、私は民意と計算式の関係の大切さを、身体で覚えた最初の日本人かも知れません。(笑)

《8月8日投稿のFacebookと同文》