近代化した民主主義へ

選挙、電子投票などについてを語り、政治の幼稚さをぼやきます。(笑)

国内で我々だけが問題なく電子投票が実施できる理由

 我々EVS(電子投票普及協業組合)は、専門企業の各部門を協業して電子投票に特化した組合です。私が会社を二日間休んで、近所の露天風呂に法律書や法人関係の専門書を持ち込み、湯船の中で立てた電子投票事業の法人化構想を関係企業に呼びかけて設立しました。設立当初は、法人人格を理解している事で幹事を拝命しました。

 そのせいか、実施自治体滞在中の内部での会議は温泉の中なので、今迄に会議室を借りたことがありません。宿泊もテントで野宿もするオープンな組織なので、隠すとか見えないと言われる方は、実施の時に足を運ばれていないだけです。(笑)

 国内初導入の時に開発現場から「龍さん!システム監査は問題が起きてからでは真実を解明するのは無理です!」と当時の監査を担当していた私に言ってきました。理由を聞いたら、ガバナンスがしっかり統制できている企業の優秀な社員ほど、自分の会社を守る事が最優先のようで、担当者は分厚い資料は出しますが原因はつかめないそうです。
 そして、はっきりと「そのとき我々は全力で隠します」と言われました。(笑)
 しかし、そこで提案されたのが、総てをまとめて指揮を取る統括管理を引き受けて欲しいとの依頼で、管理者の指示には従い、判断を仰ぐ為に総てを見せるとの事でしたので、ふたつ返事で引き受けました。

 法律の施行日に基準書が出されてから僅か4ヶ月、入札から2ヶ月での実施というタイトな日程で、開発から製造までを完成させなければならない状況なのに、マスメディアの不安視された声で各企業の上層部からも変更は危険を招くなどと制約をかけられる硬直した状態でした。

 統括管理者とは任意で作られたもので、既存の役職ではありません。しかし、当事者から自発的に付託されたせっかくの民意と置かれた状況を考えて『そうだ!民主主義のシステムを民主主義で作ろう!』が基本方針になりました。(笑)

 そして、私がやったのは、同じ目標に熱意を持って取り組む環境づくりでした。それを日本語で『士気』と言います。

 運用やシステム的にもセキュリティ対策はしていますが、法的に通信機能が禁じられている外部リスクの少ない環境ですから、内部の士気が高い環境は、楽しく自信に満ちて「悪意」が生まれる可能性は0に等しいでしょう。現段階では最大のセキュリティ対策と言えます。

 しかも、タダ!(笑)

 これは今の社会でも見落とされているから規定やマニュアルで縛り、過度なものはブラックと呼ばれて人間による脆弱性を生んでいると思います。

 以前にも書きましたが、アポ無しで竹下元総理と茶飲み話をしていた恐れも身の程も知らない若い頃に、閣内にいる腹心の政治家を不甲斐ないと酷評したら、「ワシは全ての役職を経験して何でもできるが、スーパーマン独りよりもスターを増やした方が、より安定して切り開けるんだ」と言って、攻勢をかけている政党の党首に、軽く世間話程度の電話を掛けていました。きっと「御手柔らかに」という挨拶だったのでしょう。
その事が脳裏に浮かび、士気を高める手本にさせて頂きました。

 簡単に説明すると、優秀な人材が揃って居ましたのでビジョンを掲げて牽引することよりも、現場が安心して進められるように殿(しんがり)を務めることがボトムアップになり、私自身も見えない不安の中で、本当に自信を持って提供する為にも必要だと考えました。

 それに士気が上がると空気も変わり、組織も船頭を一本化して円滑に機能させる為に、自治体との契約から決済まで私に権限を移譲して頂きましたが、最後まで笑いは振り撒いても畏怖を与えた事はありません。短期間で出来たのも、情報の共有と本音で議論して、各自のモチベーションが高かったからだと思います。

 例えば前回の投稿で、現場の人間が保身から起こした電子投票事故も、ウチの連中は「目の前で故障やミスが有って触る事ができたなら隠蔽したくなるでしょう」と予見して「実施期間中は質問に答えるだけで機器に触れてはならない」としました。
 きっと、当初は実施自治体も「なんて高飛車な!」と戸惑ったと思いますが、保全と事態の明確化の為には重要な切り分けだと理解して頂きました。

 とんでもないと思われますが、追い込まれた人が引き起こすヒューマンエラーを想定したものです。それにしても、人として正直すぎる見解ですね。(笑)

 その他にも詳細に書くと長くなるので止めますが、思い出に残っているのは、現場では部下の指示に従い小間使いをやった事かな。
投票日当日は責任者として実施対策本部ではなく、記者に説明をするプレスセンターにまわされました。(笑)

 長くなったので次回に、ちょっとゲスい体験談を書きます。