近代化した民主主義へ

選挙、電子投票などについてを語り、政治の幼稚さをぼやきます。(笑)

電子投票の投票データのあり方について

 たまに国会で電子投票について質問されます。
  しかし、今年の政府の答弁も下記の通り海外状況の懸念報告だけで、寂しい事に国内の報告はありません。
  この場を借りて海外と国内の現状が違う事を写真説明で申し上げたい。

  【政府の答弁】
  「平成二十一年に国会図書館電子投票の各国状況調査を行っております。ドイツとオランダにおきましては、電子投票の導入が行われていたものの、ドイツでは、一般住民が投票結果の検証を容易に行えない電子投票機を使用していたこと、それからオランダにおいては、投票データを盗み読みされる危険性を排除できない、そういった電子投票機を使用していたことを理由に電子投票が中止された、このようにも聞いております。」

 【投票データのあり方について】 
 投票データを改ざんされては、間違った民主主義が成立する恐れがあります。

 しかし、ドイツで問題視されたように、選挙とは国民のもので有り、暗号化によって市民が理解できない投票データは疑念が持たれます。

 国内の訴訟に発展したケースでも、個々の投票データに暗号をかける事により、不正の認識が無くなり重大な失敗を犯しました。詳細は「暗号化をすれば投票内容が判らないからデータを見ても良い」と思い込み投票所内で投票された件数を数えた事や、二重投票させても投票用ICカードのIDと関連させて古い方の票を消去する操作が行われました。

 ですが、反対に投票記録を判りやすくすると、オランダのように「投票データを盗み読みされる危険性を排除できない」と言うことにもなります。

 しかし、我々は開発当初から投票データの暗号化が問題に成ることを想定し、「改ざん防止をしても一般市民が理解でき、盗み読みしても理解できない」方式を、日本初の電子投票から採用しています。

 投票記録データそのものに暗号化するのは、国民の理解が得られないと考えています。
 しかし、投票記録データ(平文テキスト)を、不正防止強化でセキュリティフォルダーの中で管理するべきかが最後まで悩みました。
 当時は、パソコンもネット環境も普及していない時代でしたから、国民が理解できる環境が整い、セキュリティフォルダー方式が必要とされる通信の利用段階まではペンディングとしました。

 写真〔A〕

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 【写真説明】
  写真のように数字の羅列が電子投票機で投票された候補者です。
  投票機の記録媒体に複数のテキストデータ有り、投票されたデータはランダムに記録されます。

  写真〔A〕は、テキストデータに二人の候補者が投票されている事に成ります。

 写真〔B〕

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 写真〔B〕は、投票された二人の候補者を、そのままコピーし貼り付けました。
 つまり、3人目の候補者から不正です。

写真〔C〕

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 写真〔C〕は、開票の時に集計システムへ数字の羅列が候補者名に変換するデータベースを読み込みます。この時、初めて集計システムに候補者データが入力されます。(システム改ざんも防止しております)

 写真〔D〕

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 写真〔D〕は、写真〔B〕で不正をしたデータを集計システムで読み込んだところ、9個目のテキストデータの3行目(3人目)に不正を検知したメッセージが表示されます。
  複数のテキストデータに書き込んでいるので、一目で投票件数を認識する事は難しく海老名市の投票記録媒体(投票箱)の中を見ても無駄です。
 投票データの改ざん(票の増減)も出来ないので可児市で起きた無効判決には発展しません。
  また、訴訟に成った時に選挙会で封印された記録媒体を提出するだけで検証できるように、記録媒体の中には投票に関わる、投票データ、投票プログラム、システムログがセットで入っているので信憑性は格段とアップされます。

  検証は、投票データをEXCELなどで読み込み、ソーター機能で同じ数字の羅列のグループが候補者の得票数に成ります。そして文字列を候補者名に置き換えれば集計結果と同じ事が証明されます。
  我々は「平文式テーブル変換暗号」と呼んでいます。

  日本初の実施時に頭を悩ませたのは訴訟時の対応でした。総務省に聞いても「司法の判断だから分らない」 と言われ、私としては運用が理解できる全てのマニュアル作成を徹底させ開票マニュアルも有りますが、単純な操作なので実際に職員が読む事は有りません。(笑)

  懐疑論者は、隠し事や自分の理解を超えるものに疑念を抱く習性があります。全てを見せて理解の範囲の中で投票データが存在することが重要と考えました。

  また、「機械は何でも出来るから悪いことも出来る」と言われますが「機械は何でも出来るから判りやすく不正防止もできる」のです。

  いろんな懐疑論者とお会いしましたが、疑念の行き着く先は政治不信でした。

 追伸
  難しく考えてはダメ!。
政治家の政策も投票インフラも単純明快が民主主義に合っています。

  近代化とは簡素化、簡便化などの単純化!。
その為には技術革新ができる環境が必要ですが、政治が閉ざしている事が残念です。

  なぜ、他社が失敗したのか?。
 原因はそこに有ると感じています。

  私は、何でもかんでも政治に頼るつもりは有りません。
  ですが、電子投票をミスも無く真面目に実施している自治体への国政選挙が出来るようにして頂ければ幸甚に存じます。
 2つの制度では選挙民が混乱し維持が困難です。

 最後に、セキュリティ学者が電子投票をネタに、的外れな市販のセキュリティソフトの売込みを画策して導入機運を消滅させました。諸外国でもネット投票が普及してますが、国民の端末に市販のセキュリティソフト入れろと唱える国はありません。それ以前に、そんな既製品で防げると思っているところが稚拙です。

 日本のセキュリティ学者が、運用に合った対策を考えるオリジナリティが無いから、電子投票の普及が止まりました。