危険予知能力と一条の光明
漠然とした事でも問題視して大騒ぎをする人がいる。
しかし、解決策は出てこない。
それは切実な問題でも無く、重要だと感じないから本能が感知できないのだと思う。
前回、危険に対する「本能」について投稿するお約束を勝手にしたので、インパクトのある体験談をお話します。
うちの親父は、知っている人は良く知っている有名な頑固一徹のカミナリ親父です。
中学生の頃に、そんな親父と一緒に小笠原諸島父島に招待され、サメ釣りをする事になりました。太いワイヤーロープに小船の碇ほどの釣り針と肉の塊を用意して、引き上げる大勢の漁師を引き連れ夜釣りをしました。
不慣れな親父は餌を取られっぱなしで、アッと言う間に電気浮きが無くなりました。でも、大勢のギャラリーの前ということも有って熱くなった親父は私に向かって「取って来い!」と言いはじめました。
サメは餌を食べながら湾をグルグルと回るのが餌とつながっている電気浮きでわかり、その泳ぐスピードを見て「無理!」と断りました。
しかし、人前で自分の命令を拒否された事に逆上したのか、誰かが取りに行かないと収まらない状態になり、親父をなだめながら頭の中では冷静に電気浮きを回収する算段をしている自分がいました。覚えている確認事項を列記します。
●餌を食べながら湾を回っていたのは1匹かなとか
●サメは血などの匂いが無ければ近づかないと聞いたことがあるとか
●音にも反応するから静かに平泳ぎ?・・・
●でも電気浮きまでの距離(50メートルぐらい)を考えると静かにクロールか・・・
●あれだけ餌を食べれば満腹でむやみに襲って来ないかもなど
まあ、色々と考えて最終的には「この湾で3年前にダイバーが足を食べられたと聞いけど、最悪でも足が無くなるぐらいかな」と最悪でも死に至らない事と、自分では頭に浮かんだ注意事項を守れば五体満足で取って来る可能性に、今では思い出せませんが他にも何かを確信したのか悲壮感はありませんでした。
ただ、漁師たちが「浅いから大丈夫だよ」と言いながら水面にも降りて来ない。また、「浅いから大丈夫な所で大物釣りはしないでしょ」と思いながら静かに早く泳ぎ、何とか無事に取って来ました。
しかし、その苦労も虚しくヘタクソな親父はスグに電気浮きを取られ、2度目の回収では電気浮きを手に取った瞬間に、目の前に大きな背びれと水中に大きな存在を感じゾッとしましたが、慌てるよりも静かに早く泳ぐことを心がけたと記憶しています。そして、無事に生還できました。
翌朝、漁港を散歩していたら「あんな無茶な事は断りなさい!」と漁師に注意されましたが、止められなかったお詫びなのか大きなヒラメを頂いた。(喜)
近代的選挙の草分け的な存在である親父殿の口癖は、「駄目だと思うから駄目なんだ!」です。知恵と知識と行動力の有る人なので、ただの精神論では無く、全てを一つにした言葉だと今は感じています。
まあ、こんな環境で育ったわけです。
ここで伝えたい事は、危険や不安が有っても可能性を見つける努力で活路が切り開けることです。
課題に直面している当事者と、安全なところから見ているギャラリーでは感じるものが違うでしょう。
当時の私の年齢は電子投票特例法と同じ13才。これが言いたくてこのエピソードを選びました。
このような経験を生かして、誰でも安心して取り組んで頂ける環境を実績で証明していますが、あと何年やれば理解して頂けるのか寂しい思いがあります。
どんな事でもゼロリスクなんて有りません。投票においては選挙人、立会人、管理者などの当事者同士が理解でき納得できる範囲の対処方法が、不安から安心に変える事ができます。失敗例として「電子投票だから」では誰も納得できないから選挙訴訟に成りました。
追伸
余談ですが、その後、スイミングスクールで習った経験も無い私ですが、学校代表として初めて公式の水泳大会に出場しました。人間は生命の危機に直面すると短時間で進化できるようです。(笑)
追伸の追伸
私の自転車通勤について「体力が付くでしょう」とよく言われますが、「周囲の状況変化で判断できる危険予知能力が高まりますよ」と答えて笑った方は宮川家ツウでした。(笑)