近代化した民主主義へ

選挙、電子投票などについてを語り、政治の幼稚さをぼやきます。(笑)

トリミングされているビジュアル的な報道

 前回はビジュアルについて書きました。今回は、について投稿します。

 特定秘密保護法で「国民の知る権利」が話題に成っています。
 先日も静岡の弁護士が「国民の知る権利に重大な脅威を与え、憲法に違反する」として提訴しました。

 しかし、「国民の知る権利」が今まで機能していたのか? 疑問があります。
 正確な情報とは、経緯、状況(原因)、結果など、幅や奥行きを持たせて立体的に伝えることで「国民の知る権利」が護られます

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 例えば投稿写真の毎日新聞では、電子が危ないと小さく「?」付きで報じられました。そのまま何も考えずに読むと、電子投票を導入した米国でも州知事が廃止を決めたと受け取られます。確かに取材をしたような記事ですが真実をトリミングしています。

 たまたま、我々もメリーランド州モンゴメリー郡選挙管理委員長の許可で、三つの投票所と開票所を視察しました。トラブルも無く無事に完了しました。勿論、期日前投票も電子投票でしたが、記事には成功した結果のフォローもありません。それどころか、電子的な部分に問題は無く、人(ボランティア)による運用が根本的な原因で混乱した事実もトリミングされています

 電子投票の方向性まで記事にするなら、記者自身も立体的に情報を感じる能力が必要です。

 この時、我々が意見交換をした、アメリカの電子投票を推進している連邦EAC(選挙支援委員会)のポール・デグレゴリオ議長も中間選挙の成果に満足していました。投票所臨時従業員の訓練不足による人為的ミスが最大の問題でした。機器の納期が間に合わずに、検査が疎かになったことも反省点と述べていました。

 導入した諸外国で、電子投票に求めているのは、各国共通で有権者の正確な意思の反映です

 マスメディアも民間の営利企業と考えると、正しい情報=「有権者の正確な意思の反映」で政治家が選ばれると困るのか、記者の情報に対するコンプライアンスに問題があるのかは定かでありませんが、現状は「トリミング」によって日本が投票の近代化を諦めガラパゴス化した事により、担当省の担当官も「宮川さん、○○国の中央選管と連絡が取れません。宮川さんご存知ですよね」と、さらに正確な情報が取れない悪循環になっています。

 しかし、どんなに日本の報道が近隣諸国と同じでも、ネットでメリーランド「Maryland」、電子投票「electronic voting scheme」で検索して翻訳ボタンを押すだけで、英語すら出来ない私でも、その後のメリーランド州の状況が分かります。

 この記事の2年後の2008年6月1日の記事では、何でも取り入れるアメリカ的な思考で、段々と電子投票のコストが高くなっている内容でした。電子投票は継続し、どこを探しても廃止記事はありません。

 つまり、「国民の知る権利の重大な脅威」とは、政治的に情報をカットされるのか、マスメディア的に情報をカットするのかの違いだと感じています。

 発信された情報の要素が平面的に感じる時は、マンガのように思う感覚が騙されない秘訣だと思います。国会の予算質問で野党国会議員が「我々には情報が少ない」と訴えていましたが、情報を立体的に感じれば、足らない要素を国政調査権で参考人から聞き出せば良いと思いました。

 私は、現在のビジュアル的情報発信は、国民の知る権利を妨げていると感じています。民主主義国家なのに他国の投開票について情報が少ないことに気付いてほしいですね。

 ちなみに日本国内の報道では、エストニアのネット投票を多く取り上げていますが、諸外国で導入されているネット投票システムは、フランスをはじめ殆どスペイン製です。

 各国でエストニア製とスペイン製を比較検討した結果、今のところエストニア製を採用した国はありません。マスメディアの情報収集能力が欠落していると言うよりも、なにか、意図的なものを感じるのは私だけなのか、気のせい? (笑)

 マスメディアの検証能力が無いから、日本の公共システムも確かな検証も無く安易になり、ろくな物ができないと感じています。

 長くなりましたので、またの機会に情報のフェイク編を書きたいと思います。