近代化した民主主義へ

選挙、電子投票などについてを語り、政治の幼稚さをぼやきます。(笑)

【六戸町電子投票実施回想録】 期日前投票所開始Part3((2015年4月22日実施)

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 電子投票が導入され、不在者投票分の「紙の投票」と当日投票分の電子投票」で、一部の政党の投票動向が明確にわかる事から、それまでの紙の投票で行われていた不在者投票を一本化する為に、期日前投票が生まれました。しかし、告示日以降に投票日まで投票年齢が達していない選挙人には不在者投票制度が残っています。

 六戸町は、日本ではじめて電子投票期日前投票を実施した聖地です。

 この日、取材された中で前向きな記事でも、健常者の「楽」に電子投票の話題が集まっている。マスメディアは、自力で投票できない弱者が既に日本国民の枠から外されている事を認識して欲しい。

 紙の投票がはじまった明治時代には、投票弱者が自力で投票できる道具が無かったから代理投票という処置を講じただけで、本来は本人の意思が誰にも知られず干渉されずに行われなければならない。

 想像してください。もし、ある日突然、自分の身体が動かず意にそぐわない環境を与えられても、完全に社会から隔離されたまま、死を待つだけの人生を。

 紙の投票では、悪い環境を変えたい投票を、現環境下でも言える強い意志を弱者に求めている。

 私は15年以上前に障害者施設に出向き、唯一動く指先でモールス信号のように相手に伝える方と施設の通訳者を通して投票について意見を伺った事があります。

その方は、ベットの上で天井を見上げた人形のように動かない状態で「私たちが自由に投票できるように成れば、政治家も会いに来て実態を理解できるだろう」と確りとした意見を述べられた。

 帰るときに、通訳をしてくださった施設職員の方が「障害者は朝、昼、晩と要求が違うから、本人の意思の投票自体も不安定になるのでは」と言われましたが、「政治家は我々に目を向けろ!、会いに来い!」という心の叫びが、通訳をしているのに届かない現実を感じました。

 その後、本当に社会実態に合った投票制度なのか、全国46箇所1800人の身体に障害を持った方を対象に電子投票バリアフリー化の実証実験を展開して投票の機会の拡大を具現化しました。

 投票弱者の処には票に成らないので政治家は訪れない。サービスを受ける側の声を聞かずに弱者を盾にした社会保障制度の為に多額な税金が投入されても、的外れな上から目線の「してあげている」に弱者は納得していない。

 例えば、目の不自由な方を先導する時に健常者が手を引こうとしますが、相手は自分の力で確認しながら歩きたいのです。弱者の手を自分の肩に置き、相手のペースで歩む事を知って欲しい。

 健常者(強者)だけの押し付け議論では、正常な共生だと言えるのだろうか。

 政治家は団体からの要望は官僚に任せ、チェックが出来るように当事者本人の声を聞く優しさを持って欲しいと願います。