今回の安保法案で浮かんだ思い出を書いてみました
どてらを着た若き頃の私の写真は、親父殿の釣り友達のウィリアム・コルビー氏(ニクソン大統領を失脚させたウォーターゲート事件当時のCIA長官)と自宅マンション前で撮影したものです。
当時は今以上に天真爛漫な恐れを知らない中学生だったので、親父殿でもドキッとする話を平気で聞き、コルビーさんも真摯に答えていました。内容は墓場まで持っていこうと思いますが、組織として合理的に職務を遂行する為に人として耐えられないことが有っても、キリストに懺悔をすれば許されるという文化を子供心に感じました。果たして正確な民意と向き合えない政治家が、国民を巻き込んでこの文化と向き合う覚悟と対応策があるのか。否定はしませんが強者の論理では争いは無くならないと思う。
レターの写真は、ジョージ・H・W・ブッシュ氏が大統領選挙に出馬するためのフィジビリティスタディで日本の政治家と会う前に、親父殿が渡した『日本政治の現状とリーダーの評価』ノートに対しての御礼と、日本に来たがお互い忙しくて会えなかったことが書かれています。
ブッシュ氏は、親父殿の釣り友達の後輩です。
I got your kind note, but we had our hectic day in Tokyo-that was all; so we could not get together. I do apprecate your letter. Incidentally I had a nice visit with Mr. Fukuda.
Thank you for your letter.
日本の政治もフィジビリティスタディ(実現可能性を事前に調査・検討)を真剣に取り組めば、会期延長で無駄な時間と税金を浪費することは無かっただろう。
米国の投票機の前に深谷隆司衆議院議員(当時)、渡海紀三朗衆議院議員が写っている写真は、1992年のビル・クリントン氏 VS ジョージ・H・W・ブッシュ氏 VS ロス・ペロー氏による大統領選挙のときに撮影したものです。
投票日当日、自民党国会議員団と同じワシントンD.C.に、当選したビル・クリントン氏が居るという情報で、議員たちが次期大統領に会いたいと日本大使館に要請しましたが、現政権以外にパイプを持っていなかったので、コンタクトを取る術が無かったようです。
そこで、一緒に行動をしていた親父殿が、クリントン氏がアーカンソー州知事時代に会いに行って釣りの話で盛り上がった事を思い出して連絡をしたら、クリントン氏も覚えていたらしく、深谷隆司、渡海紀三朗議員らは、世界に先立てて大統領就任のお祝いの挨拶ができました。
どう見ても日本政府は、釣り好きのおっさんに負けています。(笑)
集合写真は、1991年にハワイのマウイ島で日米の政治家、学者、マスメディアで開催された第二回ハワイ会議の記念写真です。左隅の黒いポロシャツを着たイケメンが私です。(笑)
この会議で討議されるメインテーマは、日米両国間の総合的安全保障政策の将来についてでした。開催前日にソ連の8月クーデターが勃発したことで、竹下元総理の開催の挨拶では、「官僚の少なくていい加減な情報だけで判断しないといけない、官邸に居る海部君が不憫に思う」と述べていた。私は、今でも広範囲で情報を集められるように成ったとは感じられない。
この会議も日米のインテリジェンスのギャップを埋める為に、政治家だけでなく、学者やマスメディアとも認識をぶつけ合う場として親父殿が企画して呼びかけました。
もし、政府が今回の安保法案の前に開催する力量が有ったのなら、より良い知恵と理解が得られたと思う。
重要な事ではないので写真がありませんが、日本でロシアの高官たちと酒を飲んだ帰りにコンビニに立ち寄り、ロシア渉外局長がエッチな本を開いていたので、私が「セレクトしたお勧めはコレだ!」と数冊プレゼントしました。渉外局長が中を見て「文字が少なくて日本語の勉強に最適だ!」と渉外局の日本語勉強の為に受け取りました。(笑)
会議ではお互いに利害があるので真剣に議論で戦いますが、オフのときは相手を知りたい気持ちがあれば争うことはありません。
私は抑止力としての軍事には賛成ですが、その前に探究心と情報を得る努力が人としての交流が生まれ平和維持に貢献すると信じています。そして、伝家の宝刀は抜かないから価値があり、使わないから美しい名刀として後世に引き継がれ大事にされます。
追伸
大量破壊兵器を保有していることを理由にイラク戦争が起きましたが、終わってから情報の誤りが公表されました。ことわざで「坊主にくけりゃ袈裟までにくい」とありますが、どんな形であれ敵の味方は敵です。そして、情報の誤りで新たにISを生み出して最悪の事態が続いています。
言いたい事が山ほどありますが、情報という視点で書いてみました。
最後に、安全や危険を語る方は多くいますが、絶壁に立たされるような危機的な状況を何度も体験しないと、総括的に見通して感じる力が生まれません。
不思議と思われていますが、専門家でもない私だけが電子投票を正しく構築できたのは、お人好しなので、手詰まりになってサジを投げられた案件ばかりをやっているうちに身についた、合理性と危険察知能力だと思います。そして、得意分野があると専門的な視点から数少ない手段を考えますが、素人だからこそ道理から多くの手段が生まれて適正なものを選びます。
そこには、安全な場所からものを言っているうちは見えない境地があります。