近代化した民主主義へ

選挙、電子投票などについてを語り、政治の幼稚さをぼやきます。(笑)

政治や学問は技術論ばかりで踏み出せない。それは人として大事な配慮が無いからですよ。

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 電子投票と言えば、猫も杓子も必ず「民主主義」だの「国民」などを枕詞に付けてデバイスや電子的システムの機能だけの話になり、肝心の「人」が存在していません。

 前回の「なぜ、我々が提供した電子投票システムだけが、訴訟どころか異議申し立ても受けないのか?」ですが、

その答えは、選挙民に恵まれたからです。
 (。i _ i。)

 選挙期間が始まるまでの啓発や公開で行われた投票プログラム作成の時など、お忙しい中を足を運んで説明させて頂く機会や投開票の体験をして頂きました。
 また、貴重なご質問などもあり、我々の説明が欠けていたところも補ってくださいます。
 ですから機器の不具合が有った場合は、立会人に、投票中で有れば、投票の権利が行使できたかの確認を、立会人ならびに当事者を交えて明確に説明。そして、状況確認と原因を分析したものを、選管が住民へ早期に発表をする事によって、慌てる事無く冷静にご判断を頂けました。

と、ま~~~綺麗ごとを並べて書くのも言うのも日本語を知っている方なら誰にでもできます。(笑)

 しかし、投票する側の有権者と実施運営側の自治体職員が本当に実行することで育てられ、おかげで、この10年間を問題なく実施運営ができるようになりました。

 お互いの信頼関係と理解が深まり、平成21年4月に実施した新見市では、落雷による投票所の停電があり、そして、当選者と落選者の票差が1票でしたが、当事者である候補者ならびに市民からも異議申し立ては有りませんでした。

 人間が作業する紙の投票と違い、電子化された作業は即時細分化して検証ができます。極論ですが、それができなければ訴訟する労力をかける事なく再選挙というシンプルかつ合理的で間違った民主主義の結果はありません。

 民主主義のシステム作りで大切なのは、国民と真剣に向き合い歩む臨床研究を忘れないことです。言葉だけで民主主義を語っているうちは、投票の近代化への蓋然性も無いでしょう。それこそ選挙を変えられないのは、憲法と不可分な関係ですから非立憲と言える我が国最大の政治課題なんです。

 そして、選挙法は完璧だから100年以上変わらないのでは無く、不完全すぎて変化に躊躇して変われない

 選挙に限らず、人として人への配慮が当たり前に考える社会であってほしいですね。

 本来、投票の電子化の「正確な意思の反映」とは、投票の機会の平等など投票弱者への配慮が大きい。

  写真は、電子投票実施で作業をして頂いた方の委託契約書ですが、労務契約というよりも我々の作ったシステムおよび運用などを検証して気付いた事を指摘するものです

 民主主義のシステムですから誰でも理解して使える事の理想と、利害がぶつかり合う選挙において、現場だけに重圧を押し付けるのでは無く、現場で作業をする方も国民として問題が有ったら言える環境を考えて実行しています。

なにより現場が誰よりも違和感や問題を感知できる貴重な存在です。

 きっと活字だけを一生懸命に勉強された方には「そんな事をしたらガバナンスが崩壊する」とか言われそうですが、命令や決まりをプログラムみたいに書けば正確に動く機械と異なり、感情を持つ人間が劣悪な環境に居ればミスや間違いもあります。しかし、正しい事が出来ると信じられる環境であれば、予想を上回る新たなものを見つけ出す希望となります。

 だから現場にいる部下たちは、モチベーションも高く、生き生きとのびのび輝いて仕事をしているので、皆さんからも「すごい」とか「おもしろい」とかよく言われます。

 私は誇らしげに「うちの連中はいい奴ばかりですから」と答えますが、チョッとシャクに触るので「でも、嫌なところもありますよ!」と正確な情報を付け加えています。(笑)

 是非とも正しい民意を求める体験をして実感してほしいのですが、リーダーとしての資質が無い方が同じ事をやろうとしても、信用されないから上手くまとまらないでしょう。

 それが、正しい方向へ進まない最大の理由です。