リテラシーのギャップで騙す
自慢ですが、私も定評のある選挙調査分析の仕事をした経験があります。
対象サンプルは、統計学による抽出法で選定した80%以上の数を分析します。
しかし、いまの世論調査は対象地域にローラー(取れやすい回答者だけ集める)をかける方法で回答を集めたり、電話調査が主力になったからなのか、出題も回答者が答え易い内容と項目数の大雑把なものでトレンドが分る程度です。また、ネット調査を例えるならば、ディズニーランドで「ミッキーマウスとドラえもん、どっちが好き」と聞くようなものです。
数を集めた傾向や趨勢だけでは、世の中全体の世論は見えないでしょう。
雑な方法で排除された意見を見落としているように感じます。
また、回答項目のパーセンテージだけではなく、対象者に質問した文も一緒に提示して頂くと良いですね。できれば問題点をいくつかのクロス集計で立体的に発表されるとより良いと思います。
ここで伝えたいことは、何らかの決まりが無ければ、情報提供者に悪意があった場合は、誰も見抜けずに世論ができあがる恐れがあります。
電子投票も、学者がセキュリティソフトの売込みの為に、全ての実施した企業のシステムを対象に検証しているように匂わせた論文を発表して廃案に成りました。この場合もサンプルがブラックボックスで分らないものでしたが、当事者でありプチ専門家の私が見る限り、実態は“政府の認証検査を受けたメーカー”の機器はなく、“撤退する企業”の機器だけでした。
電子投票に限らず日本の公共システムが世界から遅れているのは、こうした学問を悪用する方が居るからでしょう。
追伸
いま、セキュリティを学んでいますが、もっと早く知っていればと思うほど感動しています。
しかし、知っている者が知らない者をリテラシーのギャップで騙すような事は有っては成らないと憤慨しております。