風に乗るのでなく風を起す努力
都知事選挙での細川氏の敗戦の弁で、「脱原発が争点として取り上げられなかったこと。つまり、原発の問題を争点とさせまいとする力が働いたこと。」と語った。
これを聞いたときに、戦略の失敗というよりも稚拙さを感じました。
私はよく例え話として、選挙前に有権者の関心を分析した結果を「甘い、すっぱい、しょっぱい、からい」の好みの層で表現をします。
情勢が“甘い”だけで勝てるなら有権者も理解しやすく楽でしょう。
細川、小泉元総理もこのタイプで成功しましたが、細川さんは時代の流れに乗り、小泉さんは長い年月をかけて風を作りました。どちらにしても、報道依存には違いません。
また、票欲しさで全てを盛り込むと未知の味覚なので、何がしたいのか理解されず候補者は負けてしまいます。
そこで市場と候補者に合った“甘いからい”にするか “甘いすっぱい” でいくか戦略を組み立てます。どっちかと言うと舛添新都知事はこちらのタイプで組織力も手伝い、地域全体で詳細に票を掘り起こしたように感じます。
話しが戻りますが、信念を持って“甘い”でいくのも悪い訳ではありません。
例えば、街頭演説を安易に人が集まる所から始めるよりも、ホットスポットで話題に成った地域に目を向けて、住民の声の中から何らかの新事実が有ればマスコミも動くでしょう。
それでも、取り上げられなかったのならば、細川氏の敗戦の弁に共感したでしょう。
今回の選挙は、原発問題が争点では無く“上辺だけの正義”が問われたものと感じています。